さいきん必要があり民話や民俗学関係の本をいくつか読んでいる。そのなかで山姥・鬼婆などの話に引かれた。『昔話の考古学―山姥と縄文の女神』 (吉田 敦彦 92年 中公新書) によると山姥の話については民話のパターンもいくつかあり、たんに恐ろしい存在としての山姥だけでなく、不思議な力をもった守り神・福の神・救いの神としての逸話もあり、それは縄文時代につながっていると思われる女神としての存在と重なるという。あまり突っ込んで読んでいないので、よくわからないところもあるが、思い出したのはNHK教育テレビの人形劇で「山娘」というのがあったと記憶している。ネットで検索してみたがわからなかった。テレビを見たのはだいぶ昔だが、山の中に住む若者がある日家に訪ねてきた若い女性と結婚したが、ある日冬のたくわえの野菜が無くなっているいるのを不審に思った若者が隠れて観察したところ、女性が山姥に変身し残りの食物をみな食べてしまったので、怖くなり逃げるが山姥が後を追っかけてくる、という話だった。ストーリーじたいは各地の昔話などでいくつかあるものを踏襲しているようだが、その山姥が苦手にしているのが、山茶花かなにかの花で、それによって退治されてしまう。人形劇ではそこのあたりの意味するものが見えなかったのだが、どうやら各地の昔話にはいろいろな理由なり、意味が含まれているようだ。