わりと頻繁にのぞくサイトに
みんなのシネマレビュー(http://www.jtnews.jp/)がある。
これは文字通り、登録した参加者が映画の点数をつけあうもので、簡単なコメントとともに点数がつけられ、平均点がでてくる。
そしてベストワンとワーストワンが表示されるのだが、ワーストになっているものに興味がある。
たぶん映画通であれば想像つくだろうが、そこでのワーストワンは世紀の大駄作として宣伝された『死霊の盆踊り』である。これについては最初から想定していた、とか、直球狙いではないか、との観測もあり、たんに予想通りなので、いわゆる王道であり想定内でつまらない。<
『死霊の盆踊り』米 1965年 カラー
最低映画館
あの映画はもともと65年に製作された、主にドライブイン・シアター向けのヌードを見せる目的の映画で、アメリカでもやはりその退屈さと妙な味で伝説的に有名な作品であった。それが当時、アメリカでビデオ化され、一部でカルト的な人気を得ていたのである。
アメリカではキャンプな映画をパーティ感覚で笑って見るという余裕のある楽しみ方が定着している。
要するに確信犯的に映画を制作したわけで、「B級映画も飽きられてきたな、じゃあもっとくだらなくしよう」てな感じでつくられたと勝手に想像する。
それがワースト映画の一番になるのは当然といえば当然かもしれないが、むしろ傑作を指向してはずしてしまったものを探求(っておおげさだ。別にしなくてもいいが)して称号を与えるのが正しいあり方ではないか。
まあ
「シベリア超特急」がそれにあたるが、変にカルトになっちゃて監督本人が意識しているかどうかは判然としないが、脱力系映画に寄っていっているのではないか。
また長渕主演の
「ウォータームーン」工藤栄一監督もそうとうに変な映画であらすじを読んでもわけがわからない(映画を見てもわからんが)。
また橋本忍監督・脚本の
「幻の湖」も理解不能の映画として評判である。
このように力を入れて(かどうかはわからないが)撮った作品が、結果として不可思議な映画ダメ駄目映画になるものに価値をおいたほうがいいと思う。
残念ながら昨年公開された
「デビルマン」もそれにはまってしまったのである。そして前述の
みんなのシネマレビューでもワースト映画ランキングでも一位を争う作品となってしまったのだ。これについては有名なホラーサイトの
ZOMBIE手帖でも×でした。
不本意ながらバッド映画になってしまったものこそがワーストなのである。
デビルマンこの前テレビでやっていたのを観たが、さほどひどくない。それゆえここにはあてはまらないと思う。
なぜこんな映画が低評価なのか? 不思議だが…。