昨日と今日とつづけて中央線沿いの法政大学の前を通って仕事の得意先へ行った。桜はまだ咲いていないが、空気はひんやりしていて気持ちがいい。
法政大学学生会館の解体工事がほとんど終了していた。昨日はまだパワーシャベルなどが動いていたが、今日は会館の跡はきれいになくなっていた。
法政大学学生会館(大ホール)はジャズのコンサートを聴くために行ったのが、初めてだった。
ステージは四角形のひとつの角が客席にでている形で、あまり見ないものだった。そこでは先進的なイベントやコンサートや映画会が開かれてきた。学生たちの自主管理でおこなわれてきたというが、90年代にメセナで様々な文化的な催しが企画されていたが、質や内容などそれに勝るとも劣らないものであったと思う(似たようなものに
京大西部講堂があると思う。元気かな・・・・)。
デザインとしても内部は迷路のような変わった建物だった。学生部室特有の汚さ(?)は好きではなかったが、学生たちの活気は感じられた。それ自体はうらやましく思ったことがある(学生生活の経験がないので)。
確か韓国の打楽器グループの
サムルノリが初めて登場したのもここでなかったか。あるいはプログレッシブというかレコメンド系のロックグループなどもここによく出演していた。
映画でも、例えばキューバの『水の日』など、あまり見ることのできない映画を「オフ・シアター」という名称でよくやっていた。
はたまた
維新派という関西の劇団の芝居を見たのもここでだった。
いろいろ、ここで見聞し体験したことを挙げていくときりがないのでやめておくが、関係者の方には法政大学学生会館の記録を出版してほしいとお願いしておく。
法政大学学生会館は自主管理でやっているということなのでなくなることはないと思っていたが、やはり時代なのかもしれない。大学としては全部きれいなキャンパスにまとめあげたいのだろう。そのような圧力に学生の側が抗しきれなかったのだろうが、きれいなキャンパスでも、学生主体の創造的活動はやる気になればできると思う。
むしろ、きれいなキャンパスの中でできる限り自由な活動を追求することが今は大事なことなのだろう。
●追悼・法政大学学生会館(1973〜2004) 大熊ワタル