英国民は情緒的な気分だった。EU離脱を気分で投票した、という意見もあるし、現状への不満を投票行為に表した、という見方もある。たしかにその時点では離脱を支持していたが、今は残留を支持している、という判断を示す場合もある。そうなるとどの時点で決定するのかというのが難しくなる。ほんらいは根本的な討論を積み重ねて、合意を形成していくか、争点を明確にしてそこでの展望を検討するというものではないか。結論を急ぐべきではなかった案件のような気がする。
解説ではEUにいることにより、利益は少なく財政や移民などマイナスを押し付けらているという議論もあったが、実際は経済的には利益を得ているのはハッキリしている。ただ、利益を得ている層とそう感じない(損をしている)層がいるということで、どこの国でも見かける話だ。それが単純に与党、野党や富裕層と労働者階級での対立ではなく、そのソサエティやコミュニティなどでの意見が別れているのが、この複雑さをあらわしている。
単純にイエス・ノーと決着つけずらい問題を国民投票という白黒ハッキリつける問題にしてしまったことの反省が必要なのよかった、と逆説的に見るしかないのでは。
とくに票数が伯仲している問題についてはなかなか中間を選択するということは難しいのだろうが、そこにいたる根本問題を探り除去・是正することを提起して運動していくほうが生産的であると思う。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160627-69876150-bloom_st-bus_all
国民投票の結果を覆すことは可能か?
可能だが、その公算は非常に小さい。国民投票に拘束力がなく、結果に関して次期首相は法的には行動を迫られないというのは本当だ。また理論的には、次期首相がEUに新たな合意のための協議を依頼し、それから2度目の国民投票に臨むことも可能だ。 しかし、この選択肢をEUの指導者らは既に排除済み。そして何よりも、離脱票を投じた1740万人を無視することは非常に難しいだろう