タッシェンという海外の出版社の美術本がある。十年くらい前から見かけるが、格安な美術本や画集を作っていていくつかのシリーズ(ポップカルチャーなどのアイコンシリーズや、手帳、カレンダー、ポストカードなど)を持っている。
確かドイツが本社だと思った。昔アールヌーボーの本を見たが、日本語版は本文などをマックで組んでいるようだ。訳がいまいちなのが残念だが、絵や写真を眺めるだけなら十分だ。おそらく各国語版を一度に作成してしまうのではないだろうか、そうでなければ、あんなに安くつくれないだろう。
たんなる輸入・直販の本だと思っていたら、そのうち日本語版タッシェン・ジャパンという法人をつくり、積極的に発売するようになり、今では洋書をあつかう書店であればかならず置いてあるようだ。
ところで、その大量生産のスタイルだが、売れなければ在庫になる。ここのところは慎重になるのだが、いくつかの本が古書ルートで出回っている。いわゆる
ゾッキ本である。
ゾッキ本になるということは、通常は経営が思わしくない出版社・あるいは倒産した会社ということになるのだが、タッシェン・ジャパンは健在だし、通常の書店でも、アマゾンなどのネット書店でも普通に販売している。上記のようなルートに流れることはやばい筈なのだが、古本屋に平積みになっている。これは再販商品として崩れていると思うが、洋書の場合は適用されないのだろうか。
この項つづく‥‥