古書にまつわるミステリの『死の蔵書』(ジョン・ダニング ハヤカワ文庫 1996年)を買ったままで積読状態だったので、高速バスに搭乗している間に読むことにした。古本の探し屋が殺されて、それを探る刑事がまた本のコレクターのようなマニアックな男だった…。
なんとなく面白そうな雰囲気だったんだが、あまり本と関係ないエピソードがあり、男が古書店を始めるくだりなどは愉しむことができたが、どうもミステリとしての謎解きはイマイチ。古書についてもアメリカの話なんで、これもちょっと衒学的な興味がさほどもてなかった…。
ジョニー・デップがやはり本の探偵に扮した映画「ナインス・ゲート」は荒唐無稽ではあるが、面白いものだった。それを連想したのでもうしこしイケるかと思ったが。本の帯にも「このミステリがすごい!」のベストだったり、海外部門1位とか、宣伝文句もかなりだったしね。