JALの再建を任された稲盛和夫について、なぜか中国でもてはやされたり、経営者の理想像のような描き方をされたりしている。だが彼が創業した京セラについては決して評判のいいものではない。退職者じたいも会社について不満をもらすことは多々ある。
たとえば会社の制服なども社員の自腹であるということだ。内部告発の本『京セラ 悪の経営術』(瀧本忠夫/イーストプレス/1999年)などでは具体的に描かれているようだ。
なんだかんだいっても、いわゆるブラック企業なのだが、それがもてはやされるという日本のゆがんだあり方がある。労働者が会社にすべてをささげるというあり方は異常だと思うが、それを経営者がみな真似しようとしているというのであれば、対抗手段を考え強化しないといけない。
p.s. 斎藤貴男『虚飾の経営者、稲盛和夫』(週刊金曜日)を読んだが、一部を佐高信との対談、二部をかつての著作の抜粋でお茶を濁すという体裁で本にしている。これでは稲盛和夫の批判としては弱すぎだろう。やはり新しい取材を盛り込んでほしい。
“元祖ブラック企業”稲盛和夫の京セラ〜1週間家に帰れない、奴隷システム、高退職率?
http://biz-journal.jp/2013/08/post_2755.html