後楽園にちかいところにある日中友好会館で「中国第10回全国美術展受賞優秀作品による
現代中国の美術展」をみた。
チラシには、モナリザを模した中国の女性のポートレートがあり、引用などが一般化しているのかと思う。なんでも展示作品の入れ替えがあったそうで、もっと前にみてかったが、残念ながら最終日にいってしまった。中国の現代美術については世界的に人気がでていて、コレクターも多いと聞く。さらに投機的側面のあるらしく、今の中国の金持ちたちも競って購入しているという、一種のバブル的な状況なのだ。
さてタイトルをみると「現代中国の美術展」とある。これは「現代美術」ではないのだ。鑑賞したあとの感想だ。それは国が主催しているために、幅広く作品を公募した結果ということかもしれない。あるいは審査員が国家の意思に沿うような見方で選択をしているのかもしれない。
ひとことで言うと、保守的な表現だなということ、一方で今の中国を反映している面もみられた。ほとんどが描画作品であり、作品の主題もさほど変化がないという気がした。ただ中国らしいと感じたのは、市井の人々や労働者を描いた絵画が目に付いたことだ。労働者がひとつの耕運機だかのちいさい機動車にのっている絵は、まさに社会主義リアリズム(肯定的に)であると思う。
また、スーパーマーケットでの人々のありかたを商品をいれるカートを交え、抑制的な色彩のトーンで描線のみで描かれたようにも見えて、都会的な洗練された表現をしていた。