島根県平田市にも見たてのアートがある。
「一式飾り」というもので、毎年7月20日から3日間、天満宮の夏祭りにあわせて、身のまわりの物品を素材として奇妙なオブジェをつくり、奉納するのだという。
これがいろんなものを模した作品なのである。
完成品としてのオブジェの形態と素材の意外さの落差が、「見立て」としての一興なのだが、素材と完成物の同質性(お猪口と徳利などをつかって酔っ払いの人間を模したものなど)もまたたのしい。これも、「見立て」としてもオモシロさなのである。
「見立て」 についてイロイロ書いてきたが、日常的な素材を使って別なものにつくりかえる祭りがあったなと思った。むかし石子順造のキッチュの本で、キッチュの例として紹介されていたと思うのだが、それを思い出したのに具体的に名称が浮かばずアップできないでいた。都築響一氏の「珍日本紀行」をみていてやっとわかった。
一式飾り(平田町観光サイト)
平田一式飾り/島根県平田市
一式飾り(いっしきかざり)