スリッパという履物についてはいろいろ気になる。
まず日本にしかないのではないか、というもので、海外のホテルなどで置いてあるものは実は日本の影響でそうなったのであって、主に欧米系のみの客のところは置いていないのではないか、というもの。これは仮説だが、どうやら日本で独自は発達したものらしく、やはり仮説は正しいと思う。
スリッパの歴史 http://www.futabakogyo.com/rekisi.htm
それから昔の日本のトイレにあった、小用のしぶきや跳ね返りを防ぐために足の先端部分を保護する陶製の足置きがスリッパの原型ではないか、という説がある。
これは椎名誠が紹介している本からなのだが、ルーツはともかく目的というか意味としては共通するものがあり、直接のつながりはないにしても考え方としておもしろい。
ところでスリッパというあいまいな履物の居心地悪さについては以前も書いたが、
スリッパ文化を考える
...スリッパが置いてあった。 もちろん使い捨ての薄いもので、後あとまで使用にたえるものではない。同宿の友人が朝食をとりに別の階の食堂に出るときスリッパでいったが、どことなく足元が頼りなげなカンジなのだ。たしかに薄いスリッパでペタペタと歩いて...
http://rosta.exblog.jp/ - 2008/01/26 17:12:00
つまりスリッパというものが使用される範囲というのがトイレ用であったり、室内用であったりするわけで、じっさい自宅でスリッパがあるが客用としてのみ使用されていて、普段はスリッパを履いて生活していなかったりする。そういうわけで、トイレくらいしか必要とされていないのでは?というのが疑問でもあったのだが‥。
それは人によるのかもしれない。
というのは、昨日の昼に居酒屋で食事を終えて外でたのだが、たまたま一緒にでてきた人がスリッパを履いていたからだ。
ふつう外出するのにスリッパは使用しないと思う(ふつうはサンダルとかだろう)のだが、その人はたまにこの居酒屋で食事をするところを見かけたことがあるし、ちかくでもよく顔をみかけたことがあったのだが、頭に毛糸の帽子をかぶってちょびヒゲをはやしたおじさんで、ちょっと変わりものといった風情ではあったのだ。
その人のふと足元をみると堂々たるスリッパである。たまたま後ろから追跡するようなかっこうになってしまったが、まごうことなき(しかも薄っぺらな)スリッパを履いて歩いているのをみて、彼なら当然かもしれないと納得はしてしまった。