明石書店といえば人権・反差別系の出版社として有名だ。
社長もこの前だったかマグサイサイ賞(「報道・文学・創造的情報伝達」部門)を受賞したようで権威もついて順風満帆のようだが、頭の痛いことができたようだ。
社内で労働組合が結成されたのである。
明石書店労組
http://t-union.or.jp/modules/pico/index.php?content_id=27
さて、労組のHPをみると
差別のない社会をつくることなどを理念に設立された明石書店で、20人を超える仲間が結集。東京ユニオンの労働組合ができました。
労働組合の結成は、会社と敵対することが目的ではなく、安定し、かつ、正常な労使関係を作ることにあります。
とあるが、基本的に労働者の利益・権利をまもるために組合が結成されると思うので、「敵対することが目的ではなく」というのは当然というか、当たり前の話である。
それをわざわざ記述しているというのは、組合を結成したわりには腰が引けているし、経営側が過剰に反応することを恐れているのはあきらかである。
じっさい過去には明石書店は労働争議(気に入らない社員を解雇した)をおこした経緯があり、知的で理性的な出版物を制作しているところが、社内の内実はそうじゃないという実態のようなのである。
この争議自体は結局は和解して組合員が退職するかたちとなったが、社内の矛盾は継続されたままである(当然ながら声をだす労働者と組合がなくなっては、自然と是正されるはずがない)。
結局は矛盾が温存されたまま2008年に組合結成となり、それを不快に思っている経営側が組合員に対して不当労働行為をやっているようなのだ(組合のビラによると)。
ビラもいいけど、がんがんメールやHPで宣伝したほうがいいと思うよ。