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「北朝鮮が中距離ミサイル準備か 日本海側で、韓国報道」
雑誌「ニューズウィーク日本版」最新号(web版 2009.05.25)に「北朝鮮 危機の真相」という特集記事がある。特段めずらしいものではないが、冷静な対応をもとめるものが多く、日本にあるような情緒的な反応はない。
ニューズウィーク日本版
http://newsweekjapan.jp/stories/world/2009/05/post-163.php
正直言って、北朝鮮が5月25日に強行した核実験は、バラク・オバマ米大統領が言うような「世界の平和と安全保障にとって重大な脅威」ではない。脅威は実験前と何ら変わっていない。オバマのように大騒ぎするのは、状況を悪化させるだけだ。
北の政権にとってはアフガンやイラクのように攻撃されて政権を転覆させられるのを死ぬほど恐れている。だからこそ核開発をして、攻撃されないような防衛基礎を固めることを考えている、そのことは周知だとおもうのだが、それをアメリカの政権はどの程度認識しているのだろう。
北朝鮮がもたらす脅威に世界が怯えれば怯えるほど、北朝鮮の指導部を喜ばせ、さらなる外交カードを与えることになる。彼らは国内に極度の貧困を招いた自分たちの経済失策を補填する手段として核兵器を捉えている。この国の核開発政策の最大の被害者は国民だという悲しい現実だ。
もしオバマ政権が北朝鮮と「度胸比べ」に走ったらどうなるか。アメリカが軍事行動も辞さないとちらつかせば、北朝鮮の瀬戸際外交を助長するだけだ。空爆や海上封鎖は、アメリカの「信頼」を保つための自己満足にしかならない。
(略)
いずれにせよ、軍事力をちらつかせても効果はない。オバマは安全保障担当の顧問たちと話せば、北朝鮮の核開発を止めるために武力行使という選択肢はないと悟るだろう。それどころか、アメリカによる軍事行動は朝鮮半島で戦争を招き、米兵はいうまでもなく、韓国国民の命を危険にさらすことになる。
ではどう対処すればいいのか。6カ国協議を再開し、2国間協議も行い、交渉による解決を目指すのが唯一にして最善の策だ。アメリカとその同盟国である日本、韓国、また中国やロシアの共通の目的である北東アジアの安定化にはこれしか方法がない。