『総動員帝国―満洲と戦時帝国主義の文化』(ルイーズ ヤング 藤 陽子ほか訳 岩波書店 2001年)を読む。満州国家を文化的・社会的視点から分析したもの。視角としてはサイードの帝国主義の植民地に対する文化へのまなざしに言及している。
サイードについてはどの本についてのものなのかわからなかったが、さほど結びついているものではないだろう。
植民地である「満州国」をつくるにあたり、マルクス主義者などを含む「左」の人びとがよかれと想い満州調査や新京などの都市建設、産業発展に奔走した事実を冷徹に描き、またそれは中国人(満州人)からみれば侵略行為の一環でしかなかったことを暴いている。
ポレポレ東中野で歌謡映画の特集をしている。
渡辺マリのヒット曲を題名にした「東京ドドンパ娘」を上映するというので見に行った。
客は5名くらいしか入っていない。まあ知名度はないと思うのでしかたない。
渡辺マリの曲がヒットして直ぐに作られたようなカンジがする。
彼女も若々しい、映画のストーリーはよくある話で、レコード会社の会長が引退を決意して、昔別の女に産ませた息子を探して跡継ぎにしようという話しだ。
これに社長の座を狙う専務が息子をでっちあげて、自分の意のままにして会社を乗っ取ろうと画策。
この息子に扮するのが主人公で、これに絡むのが渡辺マリふんするキャバレーで歌っている新進歌手で、なんとかレコードデビューを果たそうとする。
ネタばれになるのでこのヘンでやめておくが、渡辺マリの出演シーンや歌うシーンが少ないのが不満だが、森川信や由利徹などの喜劇役者がそれなりに活躍しているので、まあ安心してみていられる。
『
継続する植民地主義』(岩崎稔など編著 青弓社 2005年)を読む。
総力戦体制の後で植民地帝国の帝国主義支配後の東アジアの社会を共同で研究したものである。
沖縄の与那国島では密貿易が盛んにおこなわれていて、それが占領軍によって取り締まりを受けた事例だが、これは台湾や韓国など距離的に近い地域が国境を越えて交流するというまっとうなありかたが政治と国家によって規制されてしまうということだ。
このなかでじゅうぶん展開されてはいないが、沖縄人というあり方についての問いかけがあり、日本人ではない、「オートロハポン」という別な日本人をさす言葉がでて、(ウチナンチューとしての)沖縄人像が検討されている。
昔、内田栄一という劇作・演出家・脚本家がいた。
映画も撮ったことがあると思う。いわゆるアングラ演劇の範疇だが、
彼の主催していた劇団がたしか「クスボリ共同隊」という名称ではなかったか。
そのクスボリということばだが、特に気にとめなかったが、村嶋歸之(むらしまよりゆき)著作選集1巻の『カフェー考現学』を読んでいたら、このことばがでてきた。
村嶋歸之は名前がむずかしいが、1920年~30年代に活躍したジャーナリストで労働問題、社会問題、宗教・教育問題などのルポなどたくさんの著作があるという。
ところで大阪・神戸、東京で記者生活を送っていたそうで、都市のさまざまなことを書いている。そこで「映画館のクスボリと淫売」という節で、「多くのクスボリと言ふものが居る」と書いてある。
読んでいくと「不良少年」のことを指していることがわかる。要するにチンピラのことなのだろう。
別なものにあたると「下っ端」とある。
「対してクスボリというのは博徒の下っ端である。厳しい序列に縛られ、いつも親分の屋敷の玄関か土間で正座して小さくかしこまっている、それが火の消えた火鉢で燻っている炭団のようなのでクスボリと呼ばれたらしい。」
ヤクザの生活 http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Suzuran/5304/yakuza.html
どうやら関西発祥のことばのようだ。
日本で飲んだ「JINRO」、韓国で飲んだことないんですけど? | Excite エキサイト
最近は韓国にいってないな。
毎年韓国に旅行している友人によると近年はウォン高で韓国旅行もうまみが減少してきたそうだ。焼肉もけっこう高いという。そうはいっても日本で食べるよりはいいだろう(今円高なのでチャンスかもしれないが、燃油サーチャージがあるからな)。
韓国は食い物はうまい! 世界一といってもいいが、残念ながら酒がダメだ!
ジンロ、チャミスルなど「乙類焼酎」がメインなのだ。酔えばいいという感じなので味が二の次になっている。マッコリという日本のどぶろくに似た伝統的な酒もあるが、あまり酔いがまわらない。ビールもイマイチ感がある。手軽に飲むとなると焼酎しかない。ともかく悪酔いすること間違いなしだろう。